今週の心の童話

ジョイ猫物語 第四章(13)

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ジョイが話そうとする前にアニーが話し出した。
『「お兄様、何がなんだか分らないけど・・・もしかしたら、お兄様はここから居なくなるの?」』
『「そうなんだよ、アニー!僕は、前の屋敷に戻る事に決まったんだ。飼い主がまた変わるんだ。あの愉快なリトル・サム達夫婦になるのさ。アニー、君とは短い間だったけど、とても楽しい毎日だったよ。これからもこの家族に愛して貰って幸せに暮らすんだよ」』。
『「そうだったの。分ったわ、お兄様。私は大丈夫よ、心配しないでね。お兄様も向こうでお元気でね。猫社会の活動が開始する春には、また頑張ってね」』。
『「ありがとう、アニー。別れは来週だそうだから、それまで楽しく過ごそうね」』。
 こうしてジョイが白亜の建物で冬を過ごしていた同じ頃、遠い懐かしの町アルトベイク市では、バルナバとラファエルが二匹でピースを訪ねて、飼い主サムの死とジョイの移転という事情を聞いていた。それをリーダー猫に知らせたり、ラブとマリアに伝えたり、寒さをものともせずにジョイへの友情を示し続けた。犬のピースは庭を駆け回るのを止めてしまい、ラブは涙を堪え切れなかったし、マリアは深い黙想に入った。一匹一匹がそれぞれに違ったジョイへの思いを馳せていたのである。

■今週の童話 (更新曜日: 毎週火曜日 )■
開始年月日<2018/7/27>  現在<8>回目

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